年間約60品目の野菜を栽培する「小間園芸」の小間 一貴(こま かずき)さん。農産物を使った約30種類の加工品も製造・販売しています。夫婦、両親の4人で農業を営んでいます。
ー1月、2月頃に収穫できる野菜で、オススメの食べ方を教えてください。
ーお客様と直接コミュニケーションをとる「直売」にこだわりがあるとお聞きしました。
小間 一貴 私たちは顔の見える農業を大事にしたいので、直売にこだわっています。直売所までわざわざ買いに来てくれる、小間園芸の野菜を買いたい、というお客様とのつながりを大切にしています。
お客様からは、この人が作っているから安心だという気持ちを持ってくれる。私たちは、野菜作りのこだわりや特徴などを直接伝えることができる。こうした積み重ねが目に見えない価値を生み出しているのかなと思います。お金と野菜のやりとりだけではない何か…。直接コミュニケーションをとっているからこそ感じることだと思います。
また、この地域でも生産者の後継者問題が出てきています。自分の周りでも跡継ぎがいなくて、農業をやめざるを得ない生産者の方もいます。生産者が減ってきている状況だからこそ、生産者と地域の人とのコミュニケーションがより重要なものになっていくと思います。
ーコミュニケーションの場として、直売以外にも収穫体験を始めたそうですね。
野菜嫌いな子どもが食べてくれるのは、新鮮で味がおいしい、ということの他に自分で畑から抜いた大根だから、という思い入れが生まれるのかもしれませんね。また、子どもたちが普段、土に触れる機会が少なくなっていることもあるでしょう。泉区は畑が多いエリアですが、農家以外の人が畑に入る機会は少ないと思います。
私の子供時代は手伝いで畑に入っていたので、じゃがいもがどういうふうに育っているのか、キャベツはどんな感じかということは当たり前のように知っていました。でも、同級生の話を聞いていると知らない子どもの方が多く、驚いた記憶があります。キャベツとレタスの見分けがつかない子どもがいるのは、今でも変わらないと思います。 そして子どもだけではなく、大人たちにもこうした体験を通じて、いろいろなことが伝わって野菜を見つめ直すきかっけになってくれるとうれしいです。
ー生産者から見た、地域との関係性について教えてください。
地場の農産物は旬な野菜を、その季節にあわせて栽培します。旬なものを育て、収穫し、食べる。だからこそ、いま旬な野菜はこれ、ということが実感できます。横浜の中でも、いずみ野、泉区は緑が多いエリアで畑のすぐ横に住宅や学校があり生産者と消費者の距離がものすごく近いので、この距離感を活かした良い関係を築いていきたいと思います。
ー昔と比べて、いずみ野の環境は変わりましたか?
小間 一貴 この周辺はあまり変わっていないですね。畑が減って建物になったりしている場所はありますが、大きく変わった部分はそれほどないように思う。
子どもが二人いるのですが、自然が近くにあって子どもが遊べる場所もたくさんあります。のびのびとした子育てができる環境です。私が小学生の頃、カブトムシをとったり、ザリガニを釣ったりしていましたが、いまでもそれができる場所がいずみ野には残っています。そのくらい昔と変わっていない場所・環境が残っています。それはとても貴重なことで、子どもたちにも私が育ったときと同じ環境でのびのびと成長して欲しい、という思いがあります。
ーこれからも積極的に地域との交流を考えていますか?
小間園芸
所在地:横浜市泉区上飯田町3602
電話:045-802-0124
小間園芸の野菜・加工品は、下記の3か所で購入できます。
横浜市営地下鉄ブルーライン 立場駅:週二回販売
東戸塚市民朝市:毎月第一日曜日
みなとみらい農家朝市:毎月第四日曜日