【横浜市泉区和泉町】「カラフル野菜で、お客様の気持ちも楽しくカラフルにしたい」横山 勝太

年間約50品目の野菜を栽培する「横山農園」の横山 勝太(よこやま しょうた)さん。トマト、ナス、カリフラワー、大根、にんじんなどカラフルな野菜作りにこだわりを持っています。

ー1月、2月頃に収穫できる野菜で、オススメの食べ方を教えてください。

横山 勝太 カリフラワーのからあげですね。オイスターソース、にんにく、みりんをあわせます。そこに片栗粉をまぶして揚げます。カリフラワーの美味しい食べ方のひとつです。

ちょっと変わったところでは、スイスチャードのおにぎり。スイスチャードの葉っぱでおにぎりを包みます。葉っぱにはゴマ油、塩をまぶしておきます。スイスチャードの見た目のキレイさと味が楽しめる一品です。これは農業の専門学校時代にスイスチャードを栽培していた友達と遊び半分で試してみたら想像以上においしかったのです。

ー勝太さんはまだ若いですが、いつから就農されたのですか?

横山 勝太 今、26歳ですが20歳の時に就農しました。農業の専門学校で2年間勉強してから就農しました。農業を継ごうと考え始めたのは高校2年生のとき。子どもの頃から畑仕事は手伝っていて、周りに畑があり牛もいる環境で育ちました。友達が家の中でゲームで遊んでいても、農作業の手伝いや外で遊んでいました。

いずみ野が変わっていないのは、農業が身近にあって自然が多く残っていることです。小学校の授業では、稲を育て田植えをして夏休みには稲の様子を見に行く。秋には稲刈り、脱穀、そのお米での餅をつきました。他にも芋掘りや焼き芋など、小さい頃から多くの農体験を積み重ねてきました。このような体験は当たり前のことだと思っていましたが、高校生になって友達と話をしてみるとそうではなかった。当たり前と思っていたことが特別なことだったのです。

また、小さな頃にザリガニやカブトムシを取っていた川や木も残っています。もちろん新しいものが入ってきた場所もありますが、まだまだ自然が残っている場所がある。農業や自然に囲まれて育ってきたので、就農するのは自然な流れだったのかなと思います。

ーカラフルな野菜作りにこだわりがあるとお聞きしました。

横山 勝太 トマトに力を入れていますが、他にもナス、大根、カリフラワー、人参、白菜などカラフルな野菜を作っています。専門学校時代にいろいろな色のトマトを実習で栽培したのですが、はじめて見る驚きと楽しさではまっていきました。

普段からカタログなどを見て、新しい野菜を探しています。休憩中にネットでも探しています(笑)。はじめて作る野菜は栽培途中にも楽しみがあります。カラフルなトマトは普通のトマトとは違った成長過程を見ることができます。苦労よりもどうなるのだろうという興味が勝るんですね。トマトは赤い色という常識・概念がある中で、他の色のトマトを見たとき、驚きや気持ちの広がりが生まれるのだと思います。それを一番楽しんでいるのが自分自身で、お客様にもその気持ちを共有してもらいたいという思いが、カラフルな野菜に惹かれる一番の理由かもしれません。

ー販売する前に家族で試食もされるそうですね。

横山 勝太 家族で試食をしてあまりにも不評な場合は、栽培をやめることもあります。もともと料理は好きなので、ある程度は自分でも料理はできます(笑)。はじめてチャレンジする野菜も多いので、最初に収穫した野菜を自分たちが食べてみる。食べ方も考えて工夫し、お客様に食べ方の提案をする。そこまでが、自分の野菜作りなのです。

野菜を買っていただくのはもちろんうれしいことですが、買っていただいた野菜をお客様がどうやって食べるのか、ということがとても気になるのです。野菜を卸しているレストランにも行きます。自分の野菜を料理人がどう調理するのか、自分の知らない

作り方

や発想を見るのが楽しい。

見た目も楽しい、カラフルコロッケ。
写真提供:横山農園

最近、色のついたじゃがいもを使って自宅でコロッケを作りました。このじゃがいもを卸しているレストランに行ってみたら、カラフルなポテトチップスで出てきたんです!こんな発想は自分たちからは出てきません。自分の野菜作りにとって、料理人の方々との出会いや存在はとても重要な部分を占めているし刺激を受けています。また、お客様からもこんなふうに作ったよと写真を見せていただくこともあります。

種を探す、栽培する、収穫する、自分で食べて味を知る、食べ方を考えてみる、お客様にも提案する、レストランに行って料理を食べてみる、新しい発見がある、料理人やお客様の声を聴いて次につなげる。この野菜作りのサイクルは地域の人との関係性の中から生まれてきました。

ーいずみ野というエリアは勝太さんにとって特別な場所ですね。

横山 勝太 お客様との距離、さまざまな農産物が揃う範囲、この「とても近い距離感」がいずみ野農業の最大の特徴であり魅力です。レストランに配送したときにその場で追加オーダーがあっても、5~10分で再配送するができます。また、横浜の他エリアと比べても、さまざまな食材が揃っています。豚肉、果物、卵などの食材が1km圏内で揃えることができる。学校給食で考えると1学区内で必要な素材がすべてそろえられる可能性がある。この近い距離に生産者・料理人お客様がいるからこそ、密度の濃い関係を築いて、リアルな反応を感じることができるのだと思います。

ーこれから取り組んでいきたいことはありますか?

横山 勝太 大根とキャベツの収穫体験を昨年11月にやりました。50名を2回に分けての体験で大変でしたが、それ以上に楽しいことが多くありました。参加した子どもが収穫したばかりのキャベツにかぶりついて「美味しい」と言っていたのがとても印象に残っています。紫、赤、黄色、皮だけ違う色のじゃがいもの収穫体験もやってみたいです。掘り出してみないと何色が出てくるかわからないので、子どもは喜んでくれそう。

将来的には、横浜の農業はいずみ野と言われるように、いずみ野の農業を広めてきたい。それができるポテンシャルを秘めている場所だと思います。個人的には横浜の珍しい野菜を作っている人といえば、横山勝太だと言われるようになりたいですね(笑)。これからも、種のカタログとにらめっこしながら珍しい野菜たくさん作っていきたいです。

いろとりどりのじゃがいも。他にも3色くらい違う色があるそう。
写真提供:横山農園

横山農園


横山農園の野菜は、下記の3か所で購入できます。

そうてつローゼン いずみ野駅前店
JAいずみ野駅前支店:毎週月曜日
グリーンファームあい菜フローラ店