年間約30品目の野菜を栽培する「横山ふぁーむ」の横山 拓巳(よこやま たくみ)さん。海外でトマト栽培の経験を持つ、今年25歳になる若きファーマーです。
ートマト栽培で海外に研修に行かれたそうですね。
当時は栽培に対する知識もなにも無い状態で、学校の先輩に教えていただきながら実習をこなしていきました。そのときトマト栽培の担当になり、初めてみる栽培方法でいろいろな刺激を受けたのです。栽培を担当すると最初から最後まで面倒を見ることになります。トマトの日々の成長や、毎日の作業過程で少しずつ農業に対する意識が変わってきました。そしてトマトそのものに興味を持ったところで、学校から海外研修の話を聞いてハワイに行って勉強することを決めました。
ーハワイでの研修生活はどうでしたか?
この経験から街と共存する農業について、真剣に考えはじめました。自分がやりたいことは、こういうことなのかな、と。街や地元の人との関わり、ライフスタイルまでが自分にとっての農業として考えていきたい。ですから、研修というより、そこでの生活・体験で得たものすべてがこれから進む方向を示してくれた気がします。
ーそれが拓巳さんにとっての都市農業なのですね。
ハワイでのファーマーズマーケットは日本のそれとは少し感じ違います。野菜や食材を売っているだけではなく、食べる楽しみはもちろん、それ以外の楽しい要素がたくさんあって、日本でのお祭りみたいな感覚でなんですね。地元の人、生産者も一緒になって楽しんでいる環境が、そこにはありました。
泉区にも、そういう要素は揃っています。海外にいくことで、泉区を客観視することができました。地元に帰ってきたときに、ここのエリアの良い部分に改めて気がつくことも多くなり、自分自身がやりたいことも明確になりました。それは、地元の人、地域に貢献しながら農業で生計を立てていくこと。もちろん生活するためのお金をかせぐことは仕事として必要なことですが、農業を単なるお金儲けの手段にはしたくないのです。農業と地域の持つ可能性を最大限に活かしていきたい。ハワイで見た風景を泉区でも実現したいのです。
まだイメージは漠然としていますが、公園を利用したマーケットとか。食材、食べ物以外にも地元の人と楽しめる「何か」を探っていきたい。一人の力では当然、実現することは難しいので、泉区の生産者の仲間と協力していけたらと思います。また、異業種の人たちにも参加して欲しいし、ときには行政の力を借りることも必要かもしれません。あせらずに、ひとつひとつやっていきたいです。
ーそのためにも、野菜作りを進化させていきたいと。
僕自身は麗夏の露地栽培はもちろん、少し時期をずらして栽培できるハウス栽培にチャレンジします。パイプハウスを使って小規模な栽培から始める予定です。6月頃から収穫できるよう、ハウス栽培の品種はパルトを選びました。2月には種を蒔きます。露地は7月頃から収穫できるので、露地栽培とハウス栽培でトマトを収穫できる時期を長くしていきたいという狙いもあります。トマトには自信を持っているのでこれからも力を入れていきたい野菜です。
その次の目標は、30歳までにイチゴ栽培をはじめること。最近、プランターで試験的な栽培をしています。まだまだお試し的な感じですが、いちごの実もついてきました。いまからゆっくりと準備してきます。いちごを選んだのはいちごの摘み取り体験をしたいから。大規模ないちご園ではなく、小さくても地元の人との交流がきちんとできる場所にしたい。これも、夢を実現する取り組みのひとつです。
横山ふぁーむ
横山ふぁーむの野菜は、下記の3か所で購入できます。
ショッピングモール弥生台 神原酒店
グリーンファーム 戸塚深谷店
自宅敷地内での直売(夏場のみ)