三ツ境駅から徒歩3分ほどの場所にある「旬菜 ぐぅ食堂」。中里とみ恵さん、千鶴さん親子による地元・瀬谷産の野菜を使ったお惣菜が人気です。お二人に野菜との付き合い方などについてお話を伺いました。
ーお店を始めた経緯をお教えください。
私は調理師として50年以上のキャリアがあるし、娘も以前はイタリアンなどで働いていて、二人とも料理をつくることが好きですし。白鳥さんがつくるお野菜は店頭で販売もしていますが、お客さんの評判もいいですよ。
千鶴 私は不摂生がたたって体調を崩したことがあったんですが、野菜中心の食生活にすることで健康を取り戻しました。そうしたことから、野菜中心の食生活の素晴らしさを広めたい、自分と同じような働く女性を応援したいという思いがあり、お店を始める大きな動機になりました。開店から2年が過ぎましたが、お客さんの8割が女性客です。
ー野菜を使って料理をつくる上で、心掛けていることはありますか?
でも、ゴーヤやパプリカを和風のお出汁と合わせて佃煮や煮びたしにしてもおいしいんですよ。「このお野菜はこう」と決めつけないようにすると、自然とレパートリーも広がると思います。
千鶴 うちでは、トマトソースにカツオ節とコンブで取ったお出汁や味噌を入れています。そうすることで高齢の方の口にも合うし、ごはんのおかずにも日本酒のつまみにもぴったりの味になるんです。
それと、野菜を使う際にはアクを抜くとか、下処理などのひと手間を惜しまないことも大切ですね。
とみ恵 例えば、ピーマンの中に白いワタがあるでしょう。あれが独特の苦味のもとなので、きちんと取り除くとピーマンが苦手なお子さんでも食べられるようになることが多いんです。
あと、ジャガイモはゆでても栄養素が逃げないけれど、カボチャはゆでると栄養素が逃げるので電子レンジで加熱した方がいい、といったことがあります。
今はそういった基礎知識もインターネットで簡単に調べられるので、野菜を料理するときに少しは気にかけた方がいいかなと思います。忙しいときは、そこまで気にしなくてもかまわないと思いますけど(笑)。
ー基礎を抑えつつ、「料理を楽しむ」という姿勢が大切なんですね。
白鳥さんは新しいことに挑戦することが好きだから、すぐリクエストに応えてくださるんです。それで、実際に新しいお野菜ができたときに、「どう料理すればおいしくなるかな」と考えることが楽しいですね。
ー料理のアイデアは、どういったところから浮かぶのですか?
もっとも、主人のお弁当は100点ではなく50点で御の字だと思ってつくっていましたけど(笑)。
千鶴 時間のあるときにトマトソースを多めにつくって冷凍しておいて、忙しいときはそれを解凍して魚の缶詰などと合わせると簡単に1品つくれます、といった実用的なアドバイスをした方がいいんじゃないの?
とみ恵 ホウレンソウのおひたしをお弁当に入れる際は、しょう油とごまをまぶしたカツオ節を敷いた上にゆでたホウレンソウを入れると、汁がこぼれる心配がありません、とかね。でも、お弁当や家族の食事って毎日のことでしょう。
いつも100点を目指さなくても50点で御の字だし、ほどほどじゃないと続かないですよね(笑)。
千鶴 お店で出しているお料理はどれも100点を目指してつくっています、と書いておいてください(笑)。